劇団彩鬼第二回公演「メフィスト」感想
漫画イベント関係の仲間が集まって旗揚げした劇団「彩鬼(いろおに)」の第二回公演「メフィスト」を観に喫茶メフィストフェレス3Fメフィストホールに行ってきました。
第一回公演の感想は↓こちら。
2008年9月21日「彩鬼旗揚げ公演に行ってきた」
2008年9月22日「劇団彩鬼の今後の課題だと思ったこと」
「メフィスト」の感想は、一言で言うなら「良くも悪くも『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』」な感じでした。漫画に詳しくない方に分かるように表現するならば、「演出や表現力はさすがのハイレベルさだったけれど、主題がいまいち消化不良な感は否めない」といったところ。
| BASTARD 1―暗黒の破壊神 (1) (ジャンプコミックス) | |
![]() |
萩原 一至 おすすめ平均 ![]() アンスラサクスの正体が分かるときまで。 最高のロールプレイゲームを漫画にした! 傲慢で・・奔放で・・自由で・・ 連載十四年目Amazonで詳しく見る by G-Tools |
最初に演出を担当したりょうさんのあいさつがあり、その中で「今回の物語の舞台は前回の公演とはがらりと変わって中世ヨーロッパ」との説明があって、正直言って私の中での期待感ががくっと低くなりました。
タイトルが「メフィスト」で舞台が「中世ヨーロッパ」となれば、キリスト教的世界観が主題となるのは明らかで、日本人がキリスト教的主題を描こうとして様になった例はごくわずかだからです。
遠藤周作の「沈黙」のように、舞台を日本に設定して日本人の感性を通してキリスト教を描くというのならば、場合によってはキリスト教と向き合う中で生まれる主題をきちんと消化できることもあります。しかし、舞台をもろに中世ヨーロッパに設定してしまうと、ほとんどの場合においてそれは「壮麗な絵と表現力で読ませる漫画」の域を脱することが難しく、主題は付け足し程度になるというのがこれまで見てきた漫画や小説の印象でした。それはそれで楽しいし、作品として成立しているというのもポイント。だけど、前回の彩鬼の公演「かざぐるま」はどちらかというと主題の強烈さに心を持って行かれた感じで、それを見に来たつもりだったので、ちょっと肩すかしをくらった思いでした。
舞台装置としては、下手にピアノが一台、中央にふすま一枚分くらいの大きさの枠があって、その枠に黒い布が張られているだけです。
その布の合わせ目から主演女優レッドの手がにょっきりと出てきて、朗々と響く声で語りかけて舞台は始まりました。
「我は問う。汝の神は何処。我は問う。汝の…」
レッドの手と発声の表現力の豊かさに改めて感心しつつも、想像以上のキリスト教正面突破なお話に、何ともくすぐったい感じ。
しばらくは、そのくすぐったい感じをレッドの表現力と魔佗羅の音楽の迫力で中和しながら見ている感じでした。
しかし、鏡の世界に閉じこめられた悪魔メフィストが登場してから空気が一変します。
レッドが黒い布を身にまとい、両足はばっくり広げたガニ股で、獣のように腰を曲げ、アゴをグウッと突き出して観客の心臓に噛み付かんばかりに首を伸ばし、長い腕は鏡を何とか突き破ろうと奇妙に折れ曲がり、長い指はすべてを妖しくかきむしり続け、地の底から響くような、けれども耳元で囁かれているような不思議な声で誘惑し、高らかに笑い、それはそれは見事な悪魔っぷりでした。
舞台中央に置かれた枠は、張られていた黒い布がたたまれて素通しの枠となり、その向こうに悪魔メフィスト=レッドがいるという演出で、本当にそこに鏡があり、それは人間の心の隙間であり、メフィストにとってはそこが唯一の現世への出口であるという世界観が、レッドの暗黒舞踏によって舞台にありありと出現したように感じられたのです。
第一回公演の感想でレッドはよさこい鳴子踊りメインで暗黒舞踏は専門外なんて言ってすみませんでした。いやはや、天性の長い手足や指や首、そして濃い顔と、長い訓練の積み重ねの成果であろう表現のバリエーションの豊かさが相まって、本当に見事な暗黒舞踏だったと思います。
人間ダンテが道ならぬ願いをしてしまったおかげで鏡の世界から一時解き放たれるというクライマックスの表現に少し迷いを感じた気もしましたが、全体としては悪魔の表現にこれほどの手数を持っているレッドの力量に感服。
そして、そのノリに乗っているレッドのメフィスト・フェレスが登場したら、もうこれで終わるしかないよなぁと思っていたら、ちゃんとそこで終わった感じでした。
ということで、漫画「BASTARD!!」において萩原一至の描く悪魔の壮麗さや表現力に感心するものの、そこに描かれるキリスト教的主題はまぁどうでもいいのと同じように、彩鬼の「メフィスト」はレッドの暗黒舞踏と魔佗羅の迫力の音楽とまちねこの超絶照明テクニックによってこの世に召還される悪魔を楽しめれば、まぁそれでOKだったのだと思います。これはこれで、私は大いに楽しめました。
そして次の公演では、「メフィスト」で更にパワーアップした表現力と、「かざぐるま」で提示して見せたレッドのどろどろした情念の世界観とを融合させた舞台を期待しています。
←ブログランキングに参加しています。クリックすると10ポイント加算されて、私のやる気がチャージされます。ご協力よろしくお願いします<(_ _)>
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)











































1ヶ月使った感想





最近のコメント