漫画の祭典「まんさい」の人気アトラクション「ウルトラゲーム&クイズ」のためにつくった問題をまとめておきます。
まんさい2008のテーマは「徹底した子どもシフト」でした。小学生を楽しませるためのアトラクションなのだから、小学生がワクワクドキドキするようなクイズを出題するのが当然だという話です。言うのは簡単ですが、小学生の感覚に寄り添って小学生の文化を研究しなければ問題を考えられないわけで非常に大変です。そのあたりの話は
過去記事:2008年10月9日「まんさいウルトラゲーム&クイズのクイズ作成中!」
を参照で。
まずは○×クイズです。
大量の参加者を12人まで絞り込むための予選クイズなので、最終的には子どもが分かるわけがない問題を紛れ込ませて生き残りを確実に減らしていく必要があります。かといって完全に運の要素だけになってしまうとおもしろくありません。このさじ加減がポイントです。
司会がステージの上から出題して、参加者はステージ前のスペースに設けられた「○」ゾーンと「×」ゾーンに制限時間内に移動するというシステムです。
では問題です。正解は白文字で書かれているので反転させると見えます。
- 「ちびまる子ちゃん」のまる子の家は、二階建てである。
×
- 「ドラゴンボール」の地球の神様は、地球人ではない。
○
- 「じっちゃんの名にかけて」謎を解くのは江戸川コナンである。
×
- ワンピースで人間に特殊能力を与える実は「天使の実」である。
×
- 「うる星やつら」、「らんま1/2」、「犬夜叉」の作者は同一人物である。
○
- 村岡マサヒロさんの「きんこん土佐日記」、単行本は現在3巻まで出ている。
○
- 「あしたのジョー」はプロレス漫画である。
×
- 「YESプリキュア5GOGO」はNHKで放送されている。
×
- コロコロコミックに現在連載中の漫画の中で最長のものは「スーパーマリオくん」である。
○
- 「週刊少年サンデー」は来年の3月に50周年を迎えますが、同じく小学館が発行している「ちゃお」は今年の9月に31周年を迎えた。
○
- 「ハヤテのごとく」の主人公綾崎ハヤテが執事として働くのは三千院家である。
○
- 「アンパンマン」の作者であるやなせたかし先生は、2009年の2月6日の誕生日で満90歳になる。
○
- 「NARUTO」の主人公うずまきナルトが配属されたのは「イルカ班」である。
×
- 「りぼん」「なかよし」「ちゃお」の三大少女漫画雑誌のうち、去年の発行部数が最も多かったのは「りぼん」である。
×
- 2009年は横山隆一先生の生誕100年の年である。
○
- 「週刊少年サンデー」に連載中で、NHK教育テレビでアニメを放送中の「メジャー」の主人公・茂野吾郎が卒業した高校は海堂学園高校である。
×
- 2008年公開のスタジオジブリの劇場映画は「丘の上のポニョ」である。
×
- 「ドラえもん」の作者、藤子・F・不二雄は国民栄誉賞をもらっている。
×
- 名探偵コナンの主人公・江戸川コナンは、阿笠博士の息子である。
×
- 「サザエさん」の作者、長谷川町子は国民栄誉賞をもらっている。
○
- 高橋留美子先生の出身地・新潟では、犬夜叉のイラストが描かれたバスが走っている。
○
子ども達を絞り込むにはこれだけあれば十分だろうと思っていました。
序盤の肩慣らし問題は余裕の全員正解だったのが、10問目の「ちゃお」が31周年を迎えたという問題で半分くらいに減りました。12問目のやなせたかし先生が90歳になるという問題で、「○」を選んだのが女の子1人だけで見事予選突破確定。ここまではねらい通りだったのですが、この後に波乱が待っていたのです。
12問目で「○」を選んだ女の子1人が勝ち抜けたということは、「×」を選んでいたその他大勢はその場で敗退ではなく、そのまま生き残ってゲーム続行ということになります。この「全員で間違えればとりあえず敗退は無い」ということを学習した子ども達が、一糸乱れず全員同じ回答を選ぶようになってしまったのです…。
その結果、15問目の横山隆一先生生誕100年の問題では全員揃って「×」を選んで全員間違いで全員生き残り。16問目の「メジャー」の問題は簡単なひっかけ問題なので何人か分かっていた子もいたのに、結局友達に集団行動をうながされて全員揃って「○」を選んで全員間違いで全員生き残り。その後もやっぱり全員揃って間違った回答を選ぶので、司会がかなり踏み込んで「反対側に何人か移動した方がいいよ」と勘の良い子なら察してくれそうなやりとりをしても、やっぱり動かないで全員間違いで全員生き残り。
とにかく「絶対に攻めない!リスクをとって他人を出し抜くよりも、全員で負けて決着の先延ばしを選ぶ」という方針を貫くものですから困りました。
その後、司会が漫画の知識を生かして
- ドキンちゃんの妹はドキンコちゃんである。
×
- 「ヘルプマン」や「ケイリン野郎」は青柳裕介の作品である。
×
といった問題を即興で考えて出題し、少々厳しめに
「人生には攻めなきゃいけないときもある!」
と説教したのですが、相変わらず全員が同じ回答を選びます。しかも見事なまでに間違いの方を選ぶので、ちょっと勇気を出せば勝ち抜け決定なのですが、その一歩を踏み出す子が最後までいませんでした。
ということで最後は仕方なくジャンケンで決めるという、なんともしまらないことになってしまいました。
去年はこんなことは無かったのに、今年は何が悪かったのでしょうか。
来年からの改善策としては、出題してから「○」「×」ゾーンに移動する前に
「よーく考えて自分で答えを決めて下さい。考えましたか?では、○だと思った人は手を挙げて!よし!今手を挙げている人だけ○ゾーンに移動して下さい。」
みたいなことをやった方がいいのかもしれません。
でも、みんなが○を選ぶのを見た上で敢えて×を選ぶみたいなゲーム性にも、小学生が学ぶべき人生の大事な要素が含まれている気がするんですよね…。
さてさて、そんなこんなで○×クイズ突破者12人が決まったのですが、更なるハプニングです。
一言ずつコメントを言いながら第2ステージ進出の12人がステージに上る際、そのうちの1人の方が
「私は障碍者です。障碍者代表で頑張ります。」
と語ったのでした。
見たところ20代くらいの方で、保護者の方から「みんなが行く方に行きなさい」と言われて○×クイズに参加した様子でした。
司会は普通に「頑張って下さい!」と答えたものの、その後第2ステージの漫画タイトル連想クイズが出題されると、
「私は障碍者なので問題の意味が分かりません。」
と言ったのでした。
そこで司会が懇切丁寧に解説してとりあえず回答するようにうながして進行します。
そんなやり取りの間に他の回答者が手を挙げているのに司会が気付かなくて正解者がうやむやになってしまい、司会が平謝りして1問目はノーカウントということにさせてもらうというごたごたがあった後、2問目が出題されました。すると、
「私は障碍者なので分かりません。もっとヒントを下さい。」
とその方が言い、司会は
「ゴメンなさい、それは出来ません。これはクイズだからね。一生懸命考えてみて。」
と返します。
結局その方は3問目で見当違いな回答を書いた後、
「私は障碍者なのでやっぱり無理です。普通の子を代わりに出してやって下さい。」
と言ってステージから降りていったのでした。
司会はその健闘をたたえて観客に拍手を促して送り出しました。もしかしたらもっと良い対応があったのかもしれませんが、私にはなかなか思いつきません。簡単な問題ではありません。
みんなが楽しめるというのが漫画の特長のひとつでもあります。漫画の前ではみんなが平等です。だから差別も逆差別もない平等な空気を「まんさい」がつくり出していけたらいいなと思っています。
次は予選第2ステージの漫画タイトル連想クイズの問題です。
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