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2008年5月15日 (木)

あなたも私も自分探し病 その3

(あなたも私も自分探し病 その1 その2 のつづき)

このような「自分探し」をめぐる世代間の認識のずれは、自分探し病についての建設的な議論を台無しにしてしまいます。

智子さんのような「自分探し?何それ?」世代は、まだマシです。我々『あいのり』世代が抱えている「自分探し」観をていねいに説明すれば、
「へぇ〜、そんな風に考えていたんだね。思っても見なかったよ。」と素直に受け止めてくれます。

問題は『ねるとん紅鯨団』世代です。『ねるとん』世代は、「自分探し」がブームになった世代なので、「自分探し」について自分たちの世代もよく知っているつもりです。「深夜特急」が青春時代に刊行され、そのマネをして旅に出たという友達がまわりにたくさんいた世代です。

だから、自分探しについて自分なりの考え方を既に持っています。そして、それを語り尽くしたら、議論をおしまいにしてしまうのです。

「自分探し?そんなものは俺が若い頃にもあったし、俺もかぶれた時期があった。あんなものは一種の通過儀礼で、いつまでも自分を探しているやつは甘えているだけなんだよ。」みたいな感じです。

たしかに『ねるとん』世代が青春を謳歌していた頃に「自分探し」はブームになり、『ねるとん』世代も多くの人が自分探し病にかかりました。

しかし、まさに「ブーム」でした。

『ねるとん』世代の多くは「ブーム」として自分探し病にかかり、「ブーム」だからこそ、しばらくすると熱は冷めていったのです。

自分探し病がそのまま重症化してしまった人も、もちろんいました。オウム真理教に入信してしまった人などです。ただし、それは特別な存在でした。

しかし、我々『あいのり』世代は、自分探しこそが幸せへのパスポートであると社会全体が大合唱している中で青春時代を過ごしてきました。今の大学生にいたっては、物心ついてからずっとです。

自分探し病の病原菌に、いつか治すべき流行病として感染するのと、当然摂取すべき素晴らしいワクチンとして学校で接種されて感染するのとでは、自分探し病にかかるということの意味合いが全く違ってくるのは当然でしょう。

そのあたりの認識のずれに気付かないまま自分探しを論じているブログがたくさんありました。

404 Blog Not Found
「探すな決めろ - 書評 - 自分探しが止まらない」

Baldanders.info
「『自分探しが止まらない』を眺める」

どれも、我々『あいのり』世代の自分探し観と微妙にずれた、彼らの世代の自分探し観を前提として持論を展開し、議論を切り上げてしまっているように思えます。

私も、この世代間の認識のずれに長いこと気付けませんでした。

「あなたも私も自分探し病 その4」につづく

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オタクの屁理屈」カテゴリの記事

コメント

アキバさん、はじめまして。
以前からROMさせて頂いていましたが、今回の連作記事に激しく共感したので、初めてコメントさせて頂きます。

私もアキバさんと同じく「あいのり」世代です。
そして「答えは自分の中にある」テストにも、まんまと引っかかりました(笑)

私たちの世代で「本当の自分を探そう!」と、正面きって(臆面もなく)宣言できる人というのは、実は少ないのではないかと考えています。

「本当の自分がわからない」「自分に正直に生きたいだけ」
「私ってー、よく『変わってるね』って言われるのー」←めっちゃ嬉しそうに
・・・などといった、「自分探し発言」「個性重視発言」には、心底うんざりするという人のほうが多いような気がします。私もそうです。

しかし、自分は「自分探し嫌悪派」であると自覚しているにもかかわらず、実は気づかぬうちに慢性的な「自分探し病」にかかっている、というのが我々の世代の病理なのでしょうか。

私達の世代は
「日々、食うためだけの仕事に淡々と従事するのは恥ずかしいことだ。
自分のやりたいこと、自分しかできないこと(で、なおかつ社会の為になること)をとことん追求し、自己実現をはかりなさい」
ってなことを、毎日手を変え品を変え刷りこまれてきました。
“オンリーワンであれ”という個性重視教育に拘泥するあまり、人間としてのベーシックな部分を疎かにしているような気持ち悪さをずっと感じていました。
うまく言えないのですが、基本を知らないのに応用問題ばっかり解こうとしているような・・・
すべての人間が非凡である、というのは語義矛盾ですよね。

若者達にむけて「個性を捨てろ!型にはまれ!」と提唱した本もありましたが(未読ですが^^;)、こうした提言も個性重視の潮流の行き詰まりを受けてのことなのかなあと思っています。

ご紹介下さった「自分探しが止まらない」、是非近日中に読みたいと思います。
それ以上に、アキバさんの記事の続きを心待ちにしています(^^)
とりとめのない長文になってしまい、大変失礼致しました。。

投稿: まさい | 2008年5月15日 (木) 16時56分

>>まさいさん
こんなに情熱的なコメントをいただいたのは初めてで、感動しています。もしかして独りよがりなことを書いているのかも知れないと思いながら書いていただけになおさらです。
私もまさいさんのコメントに、いちいちうなずいてしまいました。私の独りよがりじゃなくてよかったです。
もうしばらくつづきますので、最後までお付き合い下さいませ。
そして、「自分探しが止まらない」は本当に名著だと思います。ぜひぜひ読んでみてください。

投稿: アキバ | 2008年5月16日 (金) 00時15分

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面白い記事があったので, あの話をもう一度。 [続きを読む]

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